7. 機能設計とは?

ここまでの、ことを振りかえってみましょう。
P1:はじめに
P2:構想設計について
P3:2D CADについて
P4:3D CADについて
P5:累積公差について
p6:幾何公差について

基本的なことを考えてきました。

では、機能設計を考えてみましょう
予備知識は?
1. 開発にあたっては、まず既存技術の調査・検討が必要です。
市場調査(類似品の調査:サンプル入手etc)をしますが、さあ、どこを見たらいいのでしょうか?どう考えましょう?

2. 特許公開情報、文献等の調査が必要です。
特許庁の公開している特許電子図書館を利用しましょう。

まず、特許情報プラットホームのトップページにアクセスします

1.日本語バージョンですので、英語バージョンは右上の<To English Page>をクリックします

2.検索メニューの<特許・実用新案検索>にカーソルを合わせて、
パテントマップガイダンス>をクリックします
パテントマップガイダンス(PMGS)の<テーマコード表>をクリックします
Fタームテーマコード一覧情報(テーマコード表)が開きます。
お探しのテーマは、PDFファイルを開いて必要なテーマコードを索引します。

私達は、特許庁まで行って調べた経験がありますが、本当に重労働です。現在は会社で閲覧できるので、独立行政法人 工業所有権情報・研修館様には感謝いたします。
予約制ですが特許のことを深く教えて頂きましたこと、お礼申し上げます。

機能設計とは製品に必要とされる信頼性を決めることです。

1. 製品の機能に係わる要求、使用条件、環境条件、寿命および信頼性要求事項(信頼度の目標値)を設計仕様で定めます。

2. 次に、 装置が十分な機能を果たすように、装置を構成する各機器に無理のない信頼度を割り振ります(信頼度配分)。

3. 最後に、装置の機能ブロック図を参考に信頼性ブロック図を作ります。これら(設計仕様、信頼度配分、信頼性ブロック図)の情報を基に解析を行い、製品の信頼性を確かめます。
それが、その会社の基準をつくることこそ、信頼の基準をつくるのです。
そして、信頼度予測は製品の信頼性を設計時に定量的に見積もることです。

その目的は二つの要素
1. 製品が要求された信頼度を持っているかを確かめることです。

2. 製品が目標とする信頼度を持つように製品で使う部品を選ぶことです。
信頼度の予測は、製品で使われている部品の故障率を基に計算します。
動く部分を持たない機構部品の故障率は<ゼロ>とし、動く部分を持つ機構部品、圧力容器等の故障率は、実績データを使いますが!。

この動体機構の攻略が至難です。我々も苦労するところです。

そして
機械製品中に電気部品が使われている場合は、MIL-HDBK-217(米国防総省信頼度予測モデル)等を使って故障率を計算します。
ただし、この電気部品が定格(決められた能力)に対して十分余裕を持って使われている条件とします。
製品の設計が終わったら、その製品が本当に安全で信頼できるか確認します。

1. まず、設計審査をおこない設計自体に問題がないことを確認します。

2. 次に、信頼性試験により製品の機能、性能、耐環境性、信頼性、安全性を確認します。
信頼性試験には、機能試験、環境試験、寿命試験、安全性試験、非破壊試験等があります。

3. 最後に、信頼性試験で不具合が生じた場合は故障解析をおこない、故障の原因を特定し、不具合を解決する対策をとります。この信頼性評価の流れを以下に示します。
設計審査は、製品開発の各段階において、社内の各部門の専門家を加えた審査チームによって、設計が要求される条件を満たしていることを確認し、次の段階に進められるか否かを決めるために行われます。

設計審査においては、
<設計の思想と根拠を明確にする>

<設計の結果を確認することが重要です>

そのため、設計者は審査対象資料として、設計仕様書、製造図面、設計解析書、信頼性解析書、安全性解析書、製造計画書(製造の目的・工程・生産計画を定めた文書)、検証計画書(製品の試験計画を定めた文書)等を用意しなければなりません。

審査が終わると、信頼性管理部門が審査時のコメントをまとめるとともに、それが設計に反映されたか確認します。
設計審査の推進体制の例を以下に示します

品質管理とは消費者の要求する品質に適合する製品を作るために、企業の各部門が品質の向上と改善を行うことです。
この品質については以下の4つに分類されます。
1. 企画品質:商品企画段階で決める品質で、消費者が要求している品質を見極め、製品コンセプトに盛り込む品質のことです。

2. 設計品質:設計図、および作業仕様書・手順書において規定された品質で、設計者が技術、製造、コスト、販売等を考慮して決めたものです。

3. 製造品質:実際に製造されたものの品質です。

4. 使用品質:消費者に製品が渡って、実際に消費者がその商品を使用したときの品質です。
このなかで、設計ミス防止(設計品質)に対しての品質管理のポイントは2つあります。
一つ目は、ISO9000による品質マネジメントの対応です。
二つ目は、人間係わるヒューマンファクターズの対応です。前者は企業における管理的、組織的な対応であり、後者は人間本来のミス防止への対応です。

すこし、難しくなってきましたけど

こういうことを考えている人と考ない人たちの差はどうなるのでしょう?
俺はこう考えている・・・という意見を話題にして仲間と共有しましょう!!

次ページは、構造設計とは?を考えてみましょう。