4. 実践解決法・手法

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解決法  <手法>

現在の問題を、どのように解決したら良いか? 悩みますよね!!
諸先輩方からたくさんの解決法を伝授頂きましたので一部紹介しましょう。

出口思考法 : 順番を変えてみる。

出口とは「達成すべき目標」また「あるべき姿」のことです。
最終目標を基準にして逆から考えます。

ある目的地まで列車とバスを乗り継いで午後3時までに到着する必要がある場合。「ここを何時に出発すればよいか」の答えを求められる時に
現在を基準に「今、出発したら何時に目的地に着くか」とスタートから考えるより、逆に目的地に予定刻に着くバスを調べて、次に乗り継ぎ地に間に合う列車時刻を調べて行く手順「出口から考える」方法が簡単です。

「入口から考える」方法での解決法の問題点とはどんなことでしょうか。

1. 問題に起因している要素が多く、全てを検討する手間・時間が掛かる。
2. 解決法にはいろんな方法があるが、どれが良いか決められない。
3. 解決までのステップが多く、積み上げて行く組み合わせが増え最適策が選べない。

悩める諸君、言われればわかるけど・・・の回答になっていませんか?
悩んでいても、解決できない!!

対して、

「出口から考える」方法の良い理由は上の問題を解決してくれる次の要素があるからです。
1.目標が絞られる。(不要な要素が省かれる。また優先順位が決まる)
2.無駄な工程が省かれる。(最終目標に近い枠内に答がある)

全てを満足する< 答え >は無いのです。

「 メリット 」と「 デメリット 」は、必ず存在します!!

問題の入口で悩まずに、解決した姿をイメージして、そこから考えてみませんか。

旅行会社が出している激安パックツアーの広告を見ると、「韓国ツアー2泊3日で4万円!」などとあり「飛行機代もでない料金です」どんな費用組立てになっているのか不思議になります。
こうした企画は、「ツアーを4万円以内で絶対行う」という最終目標を立て、逆算して航空運賃、ホテル代、などをいくらにしなければならないかと考え、あらゆるアイデアで実現しようとした結果でしょう。

仮設思考法 : 仮説を立てて行動する。

仮説とはその時点で< こうすれば、こうなる>という結論をその理由とともに設定します。

一般的な「原因解明」次に「行動決定」の流れではなく、「行動決定」次に「検証」の逆の順に進めます。これは限られた情報と時間で素早い解決をめざして課題に取り組んでいく方法です。

仮説思考法は早い結論を求めるために行う手段です。従って、詳細な調査、綿密な準備など、元来の問題解決に必要な段階は踏襲しません。つまり「正確な答え」より「早い結論」を求めることです。それにより素早い行動に結び付けてゆきます。

仮説思考法の意義は、この「早い結論と行動」が価値を持つ時代背景にあります。反対に「正確な答え」が、社会の複雑化、情報量の増大、時代変化の激しさなどの時代背景において、求めるにはたくさんの時間と資源が必要となってきます。
また時間をかけて答えを出したときには、潮流は既に変わっていて「正確な答え」の価値がないことが多く存在します。
行動を早く実行できることは、次的な価値も生み出します。

「 石橋を叩きすぎない 」・・の言葉で経験者には理解できるのでは?

進め方はこんな具合に

1.問題・課題を設定する。
2.仮説を立てる:仮説は取るべき行動を明確に出来るような表現にする。
3.仮説を検証する:仮説を実行する方法を検討します。
4.実行する:行動計画を作り進めます。

仮設思考法 :ブレーンストーミング

アメリカのA・F・オズボーン氏がアイデア開発会議を活性化するために考案しました。
その考え方は、良いアイデアはメンバー全員の自由な発想と発言から生まれるというものです。 最初からアイデアの良し悪しを評価したり、あるいは質の高いアイデアを出さなければならないと制約したのでは、メンバーの発想力は制限されてしまいます。また発言も控えてしまうでしょう。それよりも、多くの発想を引き出すことが必要である・・・という観点から生まれた手法です。

ブレーンストーミングの4原則は、
批判禁止: その場で良い悪いの判断や批判をしない。
自由奔放: 制約ナシに自由奔放に発想し、意見を述べる。
質より量: アイデアの量が多い方がよい。
結合・便乗: 他人のアイデアを参考に連想発想を促進する。

進め方はこんな具合に、

数名のメンバーを作り、リーダー(進行役)を決めます。 テーマを確認します。模造紙を張ってテーマを書き込みます。原則を守って、意見・アイデアを自由に出し合っていきます。リーダーまたは書記役は模造紙に出てくる意見をどんどん書いていきます。アイデア、意見が出尽くすまで続けます。書かれた意見で意味が不明なもの、表現が明確でないものは確かめて書き直します。同じグループなどに整理して、アイデア素材とします。

ここからが、重要です。

授業では、意見を基にその結果を発表します。
そして・・・・・
そのアイデアの最悪の場合を考えます・・大変な事が起きてしまった。(・・・・と・推測する)
こうすれば改善されるのでは・・・また、意見を出します。
この案なら、どうかな?・・・という具合に進行します。
そして、最良の場合を推測します・・・・・結果を発表します。

参加メンバーは<そんなことは無理>と決めつけられていることを、多方面から真剣に取り組んで会話をして<理想形>に導くスタイルです。

理想を追い求める女性の発言などは< 驚き >です!

この授業は、アメリカの工科大学から波及して、現在ではハイスクールでも取り入れられております。日本で採用されているのは一部の企業です。学校の授業として受け入れられる時はいつのことでしょう!!

<伝える教育>と<作っていく教育>の差です。

その発展形とされている KJ 法

ブレーンストーミングによって様々なアイデア出しを行った後の段階で、それらの雑多なデータやアイデアを統合し、新たな発想を生み出すためにKJ法が行われるのが一般的であり、文化人類学者の川喜田ニ郎氏が考案した発想法。 彼がヒマラヤ探検で得られた多種多様な観察データを分析する段階で開発したものです。
人間は個人の経験を基にした既成概念をもっている。未知の分野について調査する際、この既成概念にあてはめて考えてしまっては、本来の意味を得ることが出来ない
・・・と、記述しています。

間違いないのは「データこそは事実である」とあります。

この考え方を基本にして、取得したデータをカードに記入して平面上に広げ、あたかもカード自身に語らせるようにして理解に達する方法である。

小生のおすすめ!!    KJ法とピラミッドストラクチャー思考法の合体

この思考法でもう一度見直しを行う。<こんがらかった頭の整理>

ピラミッドストラクチャは事実や観察事項を基にして、そこから「何がいえるのか?」という思考法により抽象化した上位概念を求めて行くことで構造化し、 全体を最上位の概念から事実までをツリー構造にまとめあげたものです。

ツリー図の最上位をメインメッセージ、それを支えるメッセージを サブメッセージ、その下をサポートメッセージと呼びます。
この出来上がった論理構造が、正しく関係付けられているかを、見るもう一つの問いが 「何故そういえるのか?」です。
これは下位メッセージが上位メッセージの 理由付けになっているかを、確認してみることにあたります。

悩んだ場合は頭の整理をもう一度

このように、<往復回路> <ロータリー回路>を繰り返すことで「よし!この道筋で行こう」と決めていきます。<間違えた>と思った時は、すぐに進路変更する勇気も重要です。

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「 答え 」は、ひとつではありません!あなたが出した 「答え」 が正解かもしれません!
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設計者の仕事とはINPUT(入力)とOUTPUT(出力)の狭間においてなすべきことです。INPUTとは会社方針であり顧客からの直接の声でありマーケテイングからくる商品企画であり、設計依頼書として入力されるものです。OUTPUTとは私達の回答です。

参考になりましたか?
いままで、設計ロードマップ( 応用編 )を読んで頂いてありがとうございます。

開発精神:信念を持って向き合っている姿は美しいものです。
開発者諸君、どうぞ、これからの日本をアピールする製品開発に貢献して頂きたいと念願いたします。
新人諸君も、柔軟な発想と大きな希望を持ってチャレンジしてください。

座右の銘です。あ・お・い・く・ま……

・・せるな !
・・ごるな !
・・ばるな !
・・さるな !
・・けるな ! ! !

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