CAE解析とは

CAE(computer aided engineering)とは、コンピュータ技術を活用して製品の設計、製造や工程設計の事前検討の支援を行うツールで、コンピュータ上に疑似的に再現した製品の設計問題を評価(シミュレーション)することができます。
CAEの適用分野は機械工学、電気工学、電子工学、建築工学、土木工学、化学工学など多岐に渡ります。
最近の3D CADシステムには線形領域での構造解析機能を持ったものも多く、設計者自らが思考の過程でCAE結果を参考にすることが可能となっております。 機械設計において、CAE解析の代表的な存在である 「応力解析」 について考えます。
一方、「CAE解析を使った設計評価プロセス」 では、実物の試作品を作る前に、強度をはじめとする性能の評価を行えます。

CAE解析が利用される場面としては主に以下の3つがありますが、設計者が行うCAE解析は主に(1)の場合となります。

(1)設計過程における形状検討、形状の改善、形状の最適化
(2)設計完了後の性能の確認
(3)製品化後に発生する問題の原因追求

従来、その根拠となるものは、過去の設計の実績や机上計算(材料力学)に頼るしかありませんでした。しかし、机上計算では複雑な問題を解くには限界があります。
一方、CAE解析を活用することで机上計算では解けない複雑な問題を解決することができるようになりました。また、様々な設計パターンを比較検討しながら設計を行えるため、早期に設計品質を上げることができるようになりました。

以上のように、設計の中でCAEを活用することができれば、より品質の高い製品をより早く製品化することができるようになります。そこで、このサイトでは設計者が解析を行うはじめのステップとして、必要最低限の知っておくと役に立つCAE解析の基礎について解説します。

設計する対象製品によって、設計問題は異なりますが、中でも次の3つの解析は機械設計を行う上で重要度が高いので基礎を理解しましょう。

1.応力解析

2.振動解析

3.熱伝導解析

応力解析とは、『力』がかかったときの製品の 「応力」 (物体内部に生じる力)や「変形」 を調べる解析のことです。
例えば、下図のような 椅子 に上から『力』 を加えたとき、どのように変形して、どの部分に『力』が集中するのか解析することができます。

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